棋譜 〜羽生ならどう指す〜
2005年5月29日
手合割:平手
▲先手:▲NBM@管理人
△後手:△東大将棋・中級
▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲7六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二飛 ▲6八玉 △6二玉 ▲7八玉 △7二玉 ▲5六歩
△8二玉 ▲5八金右 △3二銀 ▲5七銀 △9二香 ▲7七角(第1図)
←第1図
まず、実戦では▲2六歩 △3四歩に▲2五歩と突いてはいけません。もし後手が振り飛車でなかった場合、損をする時があるからです。
いろいろ分岐点があるところです。▲5七銀で、▲6八銀なら急戦模様の将棋となります。今回は後手は△9二香と穴熊を目指してきたので、こちらも穴熊に囲う展開となります。
以下は王様の囲い合い。駒組みが続き、第2図へ…。
第1図以下
△5二金左 ▲8八玉 △9一玉 ▲9八香 △4三銀 ▲9九玉 △8二銀 ▲8八銀 △7一金 ▲6八金寄 △6二金寄 ▲7八金寄
△7二金寄 ▲7九金寄 △6四歩 ▲3六歩 △9四歩 ▲1六歩 △7四歩 ▲6八角 △4五歩 ▲6六銀△2二飛(第2図)
←第2図。
互いに玉を囲い終わりました。穴熊は持久戦なのでうまく攻めなければいけません。
▲6六銀に△2二飛は必須。
仮に△1四歩ならば、▲2四歩 △同歩 ▲同角に △2二飛は振り飛車の手筋ですが、以下▲3三角成 △2八飛成 ▲4三馬で後手不利。駒損になりますし、2枚飛車でも側面が厚いのが穴熊の強み。
ここで私は長考。▲4六歩か▲3五歩を考えてましたが…自然に…。
第2図以下
▲5五銀 △6三金 ▲4六歩 △5四歩 ▲6六銀 △6五歩 ▲7七銀引 △5五歩 ▲4五歩 △5六歩 ▲4六角 △5四銀 ▲3七桂
△9五歩 ▲5八飛 △7七角成 ▲同 銀 △4七銀 ▲5九飛 △3六銀成 ▲8二角成 △同 玉 ▲4四角 △1二飛 ▲2四歩
△同 歩 ▲2三歩 △4八角 ▲2二歩成 △5九角成 ▲1二と △3七馬 ▲1一角成 △8五桂 ▲8八銀 △1九馬 ▲2一と
△6四馬 ▲4四歩 △9六歩 ▲同 歩 △5七歩成 ▲8六銀 △8四歩 ▲9五歩 △1七飛 ▲6九香 △1八飛成 ▲4三歩成
△7二金 ▲4一飛(第3図)
←第3図
アホな一手▲5五銀。6四の歩を取ろうとしたのですが、当然△6三金。それから▲4六歩では何をしているかわかりません。銀を追われ△5五歩。▲同歩なら△同角で角を捌かれてしまいます。これはいけない。
そこで▲4五歩と取り込み、△5六歩に▲4六角と出ました。この位置が良く、間接的に後手の王様を睨んでいます。以下は互いに牽制が続きます。
▲5八飛と5筋に回ったところで意表の一手が来ました。△7七角成。△3六銀成に▲8二角成は当然。無条件で取られるワケにはいきません。穴熊対決は飛車・角より金銀が多い方が有利。この時点で先手は3枚に対し後手は2枚。ここはうまく返す事が出来ました。
飛車の取り合い、と金の作り合いから▲4一飛と打ち下ろしました。
第3図以下
△9三歩 ▲5二と △5八と ▲8五銀 △同 歩 ▲8四桂 △7三金上 ▲9二桂成 △同 玉 ▲6一飛成 △6九と ▲同 金
△8三銀 ▲6二と △5三馬 ▲6三と △同 銀 ▲9四歩 △同 歩 ▲9三歩 △8二玉 ▲5四歩 △同 馬 ▲6二龍 △7二銀左
▲9七香打 △6三馬 ▲5一龍 △9三桂 ▲9四香 △9一香 ▲9三香成 △同 香 ▲同 香成 △同 玉 ▲9一龍 △9二香
▲9四歩 △同 銀 ▲9八香 △9五歩 ▲同 香 △9八歩 ▲同 玉 △9六香 ▲9七歩 △9五銀 ▲9六歩 △8六桂 ▲同 歩
△8七香 ▲同 金 △9七歩 ▲同 桂 △8四銀 ▲8五歩 △8三金 ▲8四歩 △同 金(第4図)
←第4図
ここで後手に疑問手。△9三歩。防御に回ると先手に攻めるチャンスが出てきます。ここは△9七歩と攻めに行くトコロだと思っていました。そこで先手は邪魔な桂馬を取り、△同歩に▲8四桂と打ちました。こうする事で後手から△8五桂とするのを消しつつ、大事な玉頭を狙う事が出来ます。これも手筋。
後は自然に攻めが続きます。以下は後手からの無理な攻めを自然に受けておいて、完全な受けきり。細かい攻めでいよいよ詰みが見えてきました。
第4図からは詰みがあります。変化を全て読みきり、即詰みに討ち取ってください。と言うか、超簡単ですが。
第4図以下
▲8二銀 △8三玉 ▲9三金 △同 香 ▲同 龍
まで157手でNBM@管理人の勝ち
さすがにこの詰みは見逃さなかったですよ、はい。その前に明快な勝ちがあったかもしれませんけどねっ。次回からはもっとしっかり考えて、みなさんに笑われないようにしたいです。